藤井●その仕事がその人に向いていると感じれば、どんな大きな仕事であろうともどんどん任せようと考えています。この前、亀山君に任せたのは、某テーマパークのアトラクションの電気工事で、予算は３千万円で１億円を超えるビッグプロジェクトの一部でした。何事も経験を積まなければ成長しませんからね。

亀山●仕事を任されたときは、正直かなり不安でしたね。キャリア入社ではありますが、入社後1ヵ月というタイミングでこの規模のプロジェクトが果たして自分に務まるのかどうか。加えて周りに電気工事を経験した社員が少なかったこともあり、事前に把握できる情報は限られていました。とにかくできる限りの準備をしておこうと考えて、専門書やインターネットを活用し、電気工事の勉強をしていました。

藤井●私はそこまで心配はしていなかったんですけどね。彼の仕事への集中力と辛抱強さをもってさえすれば必ず仕事を成功させるだろうと。実は今回の電気工事の仕事は、配線をビスで一ヶ所ずつ留めていくような地道な作業の積み重ねなんです。彼は前職で積算の仕事を3年ほど経験していたので、このような根気のいる作業でも、しっかりと結果を出してくれると信じていました。

亀山●期待通りの成果が挙げられたかどうかは分かりませんが、自分にとっては学ぶべき事がたくさんあったプロジェクトでした。アトラクションの機械の大きさは数十メートルにおよぶ巨大なものですが、実作業はビス穴の位置がミリ単位で記されている指示書に沿って行います。1ミリのズレも許されない作業です。品質を保ち、安全なものを作るためには着実に細かな作業を継続していくことが必要だということを肌で感じることができました。

藤井●亀山君だけではなく、他の若手社員にもこのような機会を与えることで、個人の成長を促し、ひいては会社の成長に繋げることができればと考えています。

亀山●会社が社員に適性があると判断すれば、さまざまな仕事に挑戦させてくれるところです。新人にこれほどの大きなプロジェクトを担当させることは、他社ではまず無い試みだと思います。

藤井●そうですね。特に現在当社は業容の拡大を目指していますから、そのためには社員一人ひとりがさまざまな知識や技術を習得することが重要です。そして新たに得た知識や技術を活かして、もっといろいろなものをつくれるようになれれば仕事の幅は大きく広がっていきます。

亀山●そんな会社の新たなチャレンジに私も貢献したいと思っています。なので、電気工事以外にも新たな施工方法や機械の設計や加工などの知識を身に付け、新しい分野へ挑戦したいと考えています。

藤井●頼もしいですね（笑）彼のような若手社員には率先して挑戦してもらいたいんですよ。そうしてさまざまな施工方法や知識を蓄積し、外販も増やしていきたいと考えています。そういった状況の中で、亀山君が電気工事へ挑戦し、プロジェクトを無事完遂できたことは大きな実績と言えます。今後も若手にはどんどん新しい現場へ挑戦していってもらいたいと思います。

亀山●私が感じるもうひとつの魅力としては、プロジェクトの規模にもよりますが、現場の責任者として一人で現場を担当できるというところだと思います。

藤井●自分の裁量で現場を運営できると言えば聞こえは良いと思いますが、安全管理、施工管理、品質管理、工程管理、労務管理などを一人ですべて担当しなければなりません。責任は重く、プレッシャーは大きいと思います。しかし、裁量の大きい仕事をしたい人にとってはとても魅力的な環境だと思います。

亀山●フォローしてくれる先輩社員が多く、上司にもいろいろと相談しやすいですね。新人の私にとってはとても働きやすい環境だと思います。また、車通勤の人が多いので仕事帰りに飲みに行くということは少ないのですが、職場の若手社員同士で月に1回ほどフットサルをしていまして、公私ともに仲良くしています。

藤井●上司は仕事を任せる上で、その人の得手不得手をつかまなければなりません。それは普段の勤務態度や社員同士のコミュニケーションなどから分かることも少なくありません。本当はもう少し若ければ私もフットサルに参加したいところなんですがね（笑）