JFE物流について

物流先端技術

CO2排出量の削減、環境に配慮した技術開発、
そして持続可能な社会の実現を目指します

JFE物流では、世界最高水準の技術を持つJFEグループ各社と連携した技術力で、
物流の低コスト・高付加価値化を目指し「変革」に向け取り組んでいます。

自動倉庫

倉庫自動化による薄板商品輸出出荷体制強化

薄板鋼材コイルを保管している商品倉庫を自動化し、
製鉄所構内において高い競争力のある輸出出荷体制を確立

倉庫自動化により、クレーンオペレーターの省人化だけでなく、商品運搬の車両の積み卸し待ち時間削減による入出庫の効率向上、商品配置の最適化による保管能力向上、倉庫内の商品搬送と岸壁での船積み搬送を連動することによる沿岸荷役効率の向上をJFEスチールの製鉄所構内の商品倉庫にて実現しました。入出庫・船積み作業のIT化により、高い労働生産性と効率性の向上を実現し、JFEスチール製鉄所構内の薄板商品について、高い競争力のある輸出出荷体制を整備しました。
現在では、物流センターへも展開しており、あらゆるトレーラーにも間隔材を使用することで自動で積み込むことができます。

遠隔操作

熱間ブルドーザⅠ

排滓されたノロを半日かけて冷却したスラグを破砕し集積するため、ブルドーザによる破砕作業と押し出し作業を行っています。下層にある冷却不足のスラグとブルドーザが接触し、火災などを防ぐべく、遠隔操作にて操作しています。以前は人が車両や重機に搭乗して作業していましたが、危険やリスクが伴うため、人に優しい操作環境の提供を実現しました。

スラグ残滓落し作業の遠隔操作化

転炉から排滓されるスラグを専用鍋で運搬し、鍋に残ったノロを重機で落とす作業の遠隔操作を実現。また、ノロ鍋は、重く(約10t)、高温(約600℃)なため、排滓時には 火災や衝撃によるオペレーターへの危険を排除するため、リモコンでの遠隔操作によるダンプのノロ鍋排滓操作も可能にしました。

粉塵吸引装置

製鉄所工場内の設備下のフロアに堆積した粉塵を清掃・回収する業務では、粉塵吸引用の太くて長い重たいホースを作業員が担いで吸引回収を行っていました。このような3K作業の軽労化・環境改善を図るため、粉塵回収用の遠隔操作可能な機械「リモコン式粉塵吸引装置」をJFE瀬戸内物流と共同開発いたしました。リモコンで遠隔操作できる草刈機をベースとし、取り替え可能な床面用、堆積山用のアタッチメントを製作し、粉塵回収用の吸引ホースを取付けることで、作業現場から離れた場所での操作・回収作業を可能にしました。

低床ブル

原料ヤードより石炭や鉄鉱石などの輸送中にベルトコンベアの下などに落鋼し堆積します。その落鉱が堆積し続けると設備と接触を起し、ベルトの破損や摩擦熱による火災などの事故につながる危険性があるため定期的に清掃が必要です。重機が入れない場所はスコップによる人力作業や高圧水での押し出し作業をしていましたが、リモコンによる遠隔操作で操縦し、離れた位置から作業が可能な「低床ブル(車高の低いブルドーザ)」を開発しました。

自動制御技術

熱間ブルドーザⅡ

遠隔操作を可能にした熱間ブルドーザをさらにレベルアップを図るべく、作業を完全プログラム化し、起動、停止、作業など自動操作をJFE瀬戸内物流(株)及び(株)DeepXと共同開発しました。作業員や他重機との干渉防止、監視カメラの設備なども設置し、2025年度中に実運用を開始予定です。

次世代船舶

2層式ロールオンロールオフパレット運搬船
(RORO船)

専用パレットを活用しロールオンロールオフ方式で積み揚げ荷役を行う鋼材運搬船を2隻を新造いたしました。船内荷役装置による自動積み付けが可能な貨物艙2層式の鋼材運搬船は国内初となります。貨物艙を2層にすることにより、積載可能貨物量を大幅に増加させ、船員の労働生産性向上や輸送トン当たりのCO2排出量削減等、更なる物流効率化に貢献いたします。

最新の省エネ技術を採用した内航鋼材船

推進装置として二重反転プロペラ(注1)とCRPベクツインラダー(注2)を世界で初めて組み合わせることで、推進性能と離接岸時などの操船性能の最適化を実現しています。また、船が前進する際に生じる波の抵抗を小さくする船首バルバスの形状を最適化するなど推進力向上を図る船型を追求しています。

また、船体にJFEスチールが開発した「グリーン鋼材」の採用を進めており、船舶輸送単体ではなく物流全体での脱炭素化に寄与するとともに、運航における省エネ・効率化も図っています。

注1) 前後の2つのプロペラを互いに逆方向に回転させることで、前プロペラで損失される回転エネルギーを回収し、推進力を高める省エネ装置。

注2)二重反転プロペラ(=CRP)用に最適化した1軸2枚舵。舵の角度をさまざまに変えて前後進、左右旋回を自在に行うことが可能。

環境に配慮した内航原料船

推進装置には内航原料船では初となる二重反転プロペラを導入し、船型も同プロペラに適した最適船型とするため、船首部にノンバルバス形状、船尾部には整流フィンとラダーバルブを採用しています。石炭やコークスなどの原料による化学反応により錆びやすい貨物艙隔壁および上甲板等の長寿命化を図るため、JFEスチールが開発した「石炭運搬船カーゴホールド用耐食鋼」を採用しました。これにより通常の切替時期より長寿命化を図れるうえ、補修などメンテナンスコストの低減を実現しました。